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10月23日に、東京藝術大学大学美術館の地下展示室では「黙示録デューラー/ルドン」展がオープンしました。
「黙示録」とは、新約聖書の最後に登場する預言書で、イエス・キリストからヨハネに伝えられた神の啓示にもとづき、この世の終末とキリストの再臨が記述されています。その象徴的な内容、破壊、殺戮、神の再生といった劇的な主題のために、この主題は、文学や美術や映像の世界で主題になっています。黙示録と聞いて、コッポラ監督の「地獄の黙示録」、アニメ作品「新世紀エヴァンゲリオン」などを思い出される読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、現在まで続く黙示録図像の系譜の中で際立ったオリジナリティを持つ作品が、この展覧会で特集する、ドイツの画家・版画家アルブレヒト・デューラー(1471―1528)の黙示録連作なのです。
ここでご覧いただくのは、デューラー黙示録でも代表的な場面「四人の騎士」です(図)。黙示録第6章、六つの封印が子羊によって開かれ、様々な色の馬に乗った騎者によってこの世に終末的破壊が訪れる場面を、デューラーは大胆に表現しています。画面には、空間恐怖症的と言えるほどに人物像などが折り重なる一方、封印を破って登場する騎者のさまは実にダイナミックです。
デューラーの黙示録の革新性は、表現のみならずその形式にもありました。この連作が登場した15世紀末は、西洋における印刷技術の革新の時期にも当たり、画像と文字を組み合わせた「聖書」が数多く出版されていました。デューラーはこの《黙示録》において、当時としては異例の大画面の木版画を、テキスト付の書籍形式で出版したのです。これによって、単なる書籍挿絵と扱われていた木版画に、絵画に引けを取らない版画「芸術」としての偉大さが付与されたのです。
藝大美術館の「黙示録」展は、まさにこのデューラーの木版画連作にスポットライトを当て、この図像表現の原点と後代への影響を、近代フランスの版画家オディロン・ルドン(1840―1916)にまで辿るものです。今回の連作の大半は、メルボルン国立ヴィクトリア美術館所蔵のものですが、そのクオリティの高さは専門家から見ても驚くべきものです。国立西洋美術館で同時期に開催される「アルブレヒト・デューラー版画・素描展」とあわせて、デューラーの版画の素晴しさ、そして黙示録版画の幻想的世界をお楽しみください。
(くまざわ ひろし・東京藝術大学大学美術館)
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