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五代のご贔屓 鈴木 寧

左写真:photo:須藤尚敏Suto Naotoshi 『噺家の手ぬぐい』(日東書院本社)より 右写真:左より、玉の輔師匠、小沢さん、席亭
鈴本演芸場入口にて(2007年)

左写真:photo:須藤尚敏Suto Naotoshi 『噺家の手ぬぐい』(日東書院本社)より

右写真:左より、玉の輔師匠、小沢さん、席亭 鈴本演芸場入口にて(2007年)

小沢さんが初めて落語を聴かれたのは、幼稚園児のころにお祖父様が連れてきてくれた鈴本だったそうです。小学生、中学生となるにつれてどんどん落語にはまり、戦後焼け野原の上野で、トタン囲いの二、三十人ばかり入れる仮設小屋の鈴本でも聴かれたとのこと。

そんな小沢さんと初めてお話しする機会をいただいたのは、五明樓玉の輔師匠の著書『噺家の手ぬぐい』をめぐる鼎談コーナーでした。

噺家の必需品といえば扇子と手拭。その手拭をダシにして色々なお話を伺おうという企画。手拭談義に盛りあがりながらも、思い出話にも花が咲きました。

「寄席という所は落語を楽しむだけじゃなく、学校じゃ絶対教えてくれない大人の世界を教えてくれましたね。妾とか間男とか吉原ね。それに粋な洒落。それがわかると子供心にもちょっと大人に近づけた気分になって、うきうきしたもんです」てなことをおっしゃってました。の小沢さんが、例年八月に当席でやっている「夏休み親子寄席」に、お孫さんを連れてよくおみえになる。そのことも話題になって「じいさんの役目は孫に伝えることしかないだろうってことで。孫が、ほかの子の気づかないちょいとひねったところでウケたりすると、これがうれしいんだよね」

お父上もご令息も、当席におみえになっておられるでしょう。五代にもわたって鈴本をご贔屓いただきました小沢さん、いまごろ冥土名人会でお楽しみのことと存じます。ご冥福をお祈り申しあげます。合掌。

(すずきやすし・鈴本演芸場席亭)

 


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